大型台風の近づく7月末、太平洋で停滞していた台風の予測が少しずつ出て来た頃、どうしても北海道経産局へ来て欲しいという連絡があり、8月8日に行くことに決めた。
世界の天気を予測しているヨーロッパとアメリカの会社があるのだけど、この2社は長期予測を出している。その天気図によれば、両社とも同じ見解で、自分が北海道へ行く頃に日本に上陸し北上、日本海側を北へ抜ける予測。日本の気象庁はそこまでの予測は立てていない。
そうなれば行きか帰りの飛行機は、台風の東側を飛ぶために風が強く、しかも台風が北にあれば仙台空港は難しい。西側に高い山もない。絶対運休になる。
8月8日午後1時に札幌到着しなければならなかったので電車では間に合わない。また、長万部のあたりは海とすれすれのところを走るので、高波がくれば運休してしまう。
「台風じゃなければ船は出るよ」と言う、西表島の屋宜さんの言葉を思い出し、台風が日本海側を行くのであれば、東北と北海道の山脈が風を弱め、太平洋フェリーなら、きっと予定通りに出航するだろうと予想した。
夕方の新幹線に乗り、仙台から乗り継ぎ、仙石線で中野栄駅へ。そこからタクシーで10分。
夏休みで乗船まで行列になっていた。
個室は残り少なく、行きは特等を取った。和室がよかったけれど、満室で洋室になった。
新しい船で、とても綺麗な船内だった。
出航前に食事の案内があり、バイキングのレストランへ行く。
カレーと美味しいビールがありhappy^^
食事中に出航。部屋へ戻る前に甲板へ出る。
この時は少し揺れが多いような感じもしたけれど、まだまだ序の口だった。
皆さん寝てしまったのか、案外空いているようだった。あんなに並んでいたのに。
まだ波は大したことは無く、風もちょっと強いくらい。台風に追いかけれれながら北上を続けた。
翌朝はちょっと揺れた。
白波が立っていたけれど、まだまだ安全な海。
船は元気よく進み、苫小牧港へ予定通り到着。
港から苫小牧駅まではタクシーで15分くらい。
そこからスーパー北斗に約1時間乗り、札幌を目指す。
工事をお願いしている日本電設工業の皆さんと、打ち合わせをし、経産局へ入った。
課長、課長補佐と1時間ほど話をし打ち合わせを終えた。1時間のために22時間掛けて札幌へ来たのだけれど、この1時間がとても重要だったのだ。
昼食を取っていなかったので、ちょっとお腹が空き、デパートの上階にある札幌ラーメンの店が集まった場所へ行き、味噌ラーメンを1杯頼んだ。
帰りの電車まで1時間くらいあったので、店内を少し見て、ホームへ向かった。
また、同じルートを逆に戻り、来た時と同じ船に乗船する。
土産とアルコールを買い込み、予約していたセミスイートの部屋へ。
このいしかりも先頭に部屋があり、とても景色が良い。
別室があり、
広い風呂と
綺麗なトイレがある。
ご機嫌な部屋。
車を積み込んでいる。
穏やかな港湾内。風は強くなってきた。
実は、この仙台便は運行が決まっており、台風の影響で1時間遅れる可能性があること、揺れが大きいと予想されている事を告げられた。
他の商船三井の大洗便は欠航。
その他、八戸便やら他の船は全て欠航になっていた。
ここまでは読めなかったけれど、予想が的中しちょっと嬉しくなる須藤淳一48歳。
今夜もカレーをいただきます。
この日はやはり、揺れが激しいせいか、お客さんがあまり居なかった。
自分は美味しく楽しく食事した。
以前乗っていたヨットには随分と鍛えられたものです。
出航。港湾を出る。
月が見え隠れし、強風がふき、雲がものすごいスピードで流れる。
船首の窓には波がバシャンバシャンと何度も打ち付けてきた。
ものすごい揺れ。
低空の飛行機が何機も追い越して行った。
部屋のニュースを見ていたら、仙台行きの飛行機は全て欠航になったそうで、予想がピタリと当たった。
もちろん、ちょっぴり嬉しかった。48歳。
相変わらず高波と強風と大揺れ。
次第に風がもっと強くなり、波頭が飛び、窓に波が当たらなくなる。
美しい。
恵まれている。
こんな経験が出来るなんてとにかく素晴らしい。
人生は冒険の連続であります。
永ちゃんの曲を聴きたくなり、一人で盛り上がる。
缶チュウハイが美味かったなあ^^
真っ黒な雲が無くなり、月がギラギラと輝いていた。
美しい。
いつまでもこんな時間を過ごしていたかった。
と、思っていたら、いつの間にか寝て、いつのまにか朝になっていた。
相変わらず船は上下に揺れていた。
いかにも台風です!というような雲が前方にあった。
金華山も頂上が見えない。
朝食のアナウンスが流れ、大好きな生野菜と納豆やらメカブやら、生卵などを食べて満足する。素晴らしい。太平洋フェリーの朝食は美味しい。
上下に
揺れながらボーボーと汽笛を鳴らすので、なんだ?なんだ?と窓から外を見ると・・・
前の船が航路を遮りそうになり、こちら側がスターボードだと主張する汽笛だったようだ。
小型のタンカーは減速し航路を譲る。
すみませんねー。
絶対に怒ってるよね。
そーいえばこの部屋、風呂には窓が付いています。
汗をかいたので、昨日は早々とシャワーを浴びてしまい、夜は湯船に入らなかったけれど、朝食の前に少し揺れる湯船を楽しんだ。
いよいよ仙台港へ入港。
船は頑張ってon time で到着した。
まあ、揺れるわけです。
雨はまだ強かった。
お疲れ様でした。
キャプテンはじめ、船員の皆さんも大変だったと思います。
台風とはすれ違い、この船はこれから準備をし、昼過ぎには名古屋へ向かう。
いしかりは新しくて船内外ともに美しい船でした。
北海道ゼロ泊2日の旅。
昼には会社に到着。
午後にはまた、打ち合わせや来客が待っていた。
ありがたやありがたや。
生かしていただいております。
終わり
コメント